高耐衝撃特性を有する薄層プリプレグ基材の開発

分野 複合材料(開繊加工技術、熱硬化性樹脂、薄層中間基材)
テーマ名 耐衝撃特性に優れた炭素繊維強化複合材料の開発
目的  炭素繊維複合材料(CFRP)は面内方向の力学特性に優れているが、面外方向(板厚方向)からの衝撃には樹脂の靭性や積層物の層間強度が低いことから内部損傷が発生しやすいという問題がある。
 このような欠点を改善するため、以下のような3種の手法により検討を行い、耐衝撃特性に優れた薄層プリプレグ基材の開発を行った。
 ・エポキシ樹脂の改質による強靭化
 ・層間のき裂の進展を抑制する層間強化樹脂層の形成
 ・層間強化樹脂層の配置構成の検討
成果  エポキシ樹脂の改質を行うことで、樹脂の破壊じん性値およびCFRPの層間破壊じん性値を向上させつつ、また、熱可塑性微粒子を含有した層間強化樹脂層の配置構成を検討することにより、薄層効果(健全材の力学特性の向上)を維持しつつ、CAI(衝撃後残留圧縮)強度を飛躍的に向上させることに成功した。他社品と比較し、引張り強度1.2倍(1,042 MPa)、CAI強度1.4倍(378MPa)に向上。
 開発した高耐衝撃特性プリプレグ基材は大幅なCAI強度の向上が見られており、航空機部材へ適用することで、設計する際の設計許容値を引き上げることが可能となり、航空機の軽量化が期待できる。
引張り強度
(MPa)
有孔圧縮強度
(MPa)
CAI強度
(MPa)
提案A 1042 290 378
提案B 1063 279 305
比較材A 908 298 273
内部損傷の発生を抑制

黒:健全部分
白:内部損傷部分

高耐衝撃特性プリプレグ基材積層板の断面画像 衝撃試験後の超音波探傷画像
担当
研究者
近藤慶一(専門分野:複合材料、化学),先端複合材料研究G