ふくい宇宙産業創出研究会WG(その4)開催報告

− 非修理系環境でのシミュレーション、熱の特性を使いこなせ −

 ふくいオープンイノベーション推進機構では、県内ものづくり企業に対し、宇宙産業でのニーズなど最先端の情報を提供することにより、宇宙産業への参入を支援していくこととし、「ふくい宇宙産業創出研究会」を設立し、産業化に向けた情報提供・意見交換を行っています。

 福井県工業技術センターでは、企業様の宇宙関連部材開発を加速させるために各種環境試験実施の支援や情報提供を行っております。この一環で、平成28年11月24日(木)に、北海道大学 大学院工学研究院 機械宇宙工学部門 戸谷剛准教授をお招きし、15機関30名の参加を得て、3コマ構成「超小型衛星の熱設計・熱制御」研究会WGを開催しましたので、その内容を報告します。

(1)超小型人工衛星概論
 超小型人工衛星概論として講義が行われました。世界で定義される衛星のサイズ、UNISEC(大学宇宙工学コンソーシアム)をはじめとして日本で打ちあがった主な超小型衛星とミッション事例、戸谷准教授が熱設計などに関わった人工衛星が紹介されました。熱設計の役割として、環境条件に対し搭載機器が正常に動作する範囲に温度を制御することが説明されました。伝熱形態や、太陽・地球・衛星の宇宙での熱環境関係、衛星の中の伝熱、熱容量などが講義されています。また、熱制御方法と特徴、太陽光吸収率、赤外放射率を制御する部材の表面仕上げなど、宇宙ビジネスに直結するパラメータの説明と熱設計の手法などが講義されました。参加者からは衛星内部測定位置、グラフについて変化点の原因、地球を原因とする蝕との関係など、多くの質問が寄せられ、高い興味を示された講演となっています。

北海道大学大学院工学研究院
機械宇宙工学部門 戸谷 剛 准教授
30名が参加した研究会
経営者・技術責任者・設計実務者等が参加


(2)超小型人工衛星の熱設計・制御の基礎
 大学院生向けの資料を用いて、技術者向けの基礎論を授業形態で実施しました。太陽直達日射量と太陽強度の季節変動、地球反射光と太陽により温められた地表の発する赤外エネルギー放射、衛星の熱吸収等価式などが説明され、実際に設計に用いるべき平均値、熱制御の方法と活用できるデバイス事例などが講義されました。福井県工業技術センターからは、熱を遮断する部材の開発などが提案され、ビジネスへの繊維の応用なども議論されています。

宇宙での熱環境

熱設計案について

受講者の様子

適用例:ほどよし1号機

宇宙機の赤外線放射を決定する
温度・効率等

衛星軌道と蝕の関係について質疑応答


(3)超小型人工衛星の熱設計実践
 戸谷准教授に、ふくい宇宙産業創出研究会の実習衛星を事例として例題を設定して頂きました。1辺30cmの立方体形状で、ボディマウント型太陽電池を有する実習衛星を対象とし、導電性を維持する化成処理皮膜及び黒色塗料を施した設計で、最悪低温条件と最悪高温条件と光学特性(太陽光吸収率、赤外線放射率)を与え、簡略化条件を付与したシミュレーションで、許容温度範囲内に入る設計案が見つかることが示されました。このほか、熱設計を行うに当たり、構造系、姿勢制御系、通信電力化条件など、技術的に注意する点などが伝えられ、技術者にとって、非常に有意義な実践講演となっています。

日時・場所

日時:平成28年11月24日(木) 13:30−  (受付13:00)

場所:福井県工業技術センター B206

研究会活動に関する問い合わせ、申し込み先

 (公財)ふくい産業支援センター
   オープンイノベーション推進部 技術経営推進室 松井、山本
 福井県工業技術センター
   新産業創出研究部 レーザ・電子線G 末定(すえさだ)
 
 〒910-0102  福井市川合鷲塚町61-10
 TEL:0776-55-1555  FAX:0776-55-1554 Mail:foipアットマークfisc.jp

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